IR & RIG CREATE
IR(インパルス・レスポンス)とは
ここでは、F884SLにて製作している、F884SL IR PACKシリーズ(以下、884IR)で、
使用されている"IR"についてご説明致します。
IRは、インパルス・レスポンスの略で、空間の残響(リバーブ)の測定やアンプの
スピーカーキャビネットのサウンドをデジタルデータに変換し、
実機でレコーディングを行った際のレスポンスを再現することが出来ます。
884Rでは、後者のギターアンプのSPキャビネット部をIRデータに変換した製品となります。
IRの製作には、スピーカーキャビネット以外に、
マイク、パワーアンプ、マイクプリアンプ、オーディオインターフェイス、
その他ケーブル類を使用して作成致します。
ざっくりと申し上げますと、「キャビのIR」といっても、SPキャビネット以外に
マイクやIRを測定する為に使用する信号を増幅するパワーアンプの影響が大きく、
更にマイクの位置(マイキングポジション)によってもサウンドは大きく変化を致します。
(厳密には更に細かい要素が沢山あるのですが、割愛致します。)
※884IRでは、高価な真空管パワーアンプやケーブル、
オーディオインターフェイスに高品質な物を使用しております。
簡単なイメージとして、「キャビのIR」は、スピーカーキャビネットとマイクで音を拾った
音をデジタルデータに変換したものとお考えください。
- IRの使用用途
IRは、先ほど申し上げたとおり、「キャビ+マイク」の部分のみですので、
アンプの部分は、ご自身で用意をして頂く必要があります。
しかし、実際のアンプを持っているユーザーは、住宅事情やスペース、
維持の問題から今ではあまり多くいらっしゃらないと思います。
(更にオーディオインターフェイスに入力する信号をラインに変換する機器が必要です。)
アンプを接続してご使用頂いても素晴らしいサウンドをレコーディングできることに
違いはないのですが、如何せん少しハードルが高いかと思われます。
しかし、現在では、FAS AxeFxシリーズや、Kemper、Atomic AAP、LINE6 HELIXといった
アンプシミュレーターでIRをご使用頂く事も出来ますし、
コンピュータの中で動作させる事が出来る、BIAS Desktop、GuitarRig、THシリーズといった
便利なソフトウェアタイプのアンプシミュレーターでもご使用頂けます。
更にIRを読み込む事に特化をした、IRローダーと呼ばれるプラグイン(mixIR2、NadIR、PULSE)
も充実しており、IRに対応していないPODやGT-1といった機材もオーディオインターフェイスを
介すことで、DAWとIRローダーを駆使してIRを使用することが出来ます。
(この場合は、アンプシミュレーター内のキャビネットセクションはオフにしてください。)
つまり、IRは使用機器を選ばず、機器そのものが持っているサウンドに実機特有の
キャビネットやスピーカー、マイクの成分を付与することが出来ます。
こうした点で、音作りの出来る範囲が大幅に広がり、使用する前に比べて
更に高品質で生々しい実機に近いサウンドを追及することも可能となります。
また、実際にマイクをキャビネットの前に立ててレコーディングをするといった
普段手軽に行えない部分もIRを使うことにより、疑似的に学ぶ事も出来ます。
- IRの良し悪し
IRとは先ほどから説明をしている通り、大変便利な物ではありますが、
決して使えば音が良くなる"魔法のアイテム"ではありません。
ライン録りに比べてマイク録りをした音源が100%良いわけではありませんし、
そもそもIRは製作の際にパワーアンプやオーディオインターフェイス、
部屋の構造(響き方)に左右され易い側面があります。
100%、「キャビネット」「スピーカー」「マイク」を再現するモノではありません。
あくまで製作者の理想としている環境をデジタルデータに
落とし込んだだけに過ぎません。
使用者によって感じる音の良し悪しは、別れます。
自分にとって"良い音"を模索する一つツールとして、IRをご使用頂ければ幸いです。
勿論、IRデータは国内外を問わず、配布、販売が行われておりますので、
IRに興味が沸いた方は、884IR以外のIRも積極的に導入をして、
自分にとってベストな音作りを探求されると良いのでは無いかと思います。
このページを読んで、キャビネットIRデータに興味が沸いた方は、
こちらの体験版をお試し頂ければ幸いです。
>> 884IR 体験版をダウンロード << (製品概要ページ)
最後まで、ご覧いただきましてありがとうございました。
IRを通じて少しでも多くの方の音作りに貢献をすることが出来れば幸いです。
今後ともF884SLをどうぞ宜しくお願い申し上げます。